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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2010/09/22 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


文庫

・・・絶句 (上)(下)

著者:新井素子

出版社:早川書房(ハヤカワ文庫JA)

・・・絶句 (上)(下)

 最近、十数年振りに超能力を使おうと試みています。
 腕の中でうとうとと眠りかけている息子。動いては起こしてしまう。しかし、今どうしても手に取りたい物(ベビーつめきり、携帯、ガーゼ、文庫本、ティッシュ、コーヒーの入ったカップなど)へ向かって一心に念じます。

 動け・・・動け・・・こっちに来い!あと4~5㎝でいいのに!ぬぬぬ~っ、あ!今ちょっと動いた気がするよ!!

 小さい頃はファンタジーの物語を信じ込んで魔法使いになりたくてたまりませんでした。
 けれども大きくなるにつれて、もしかして魔法使いってもうこの世にいないんじゃ・・・と夢を失いかけていた小6の時出会ったのが新井素子でした。
 SFってことは科学なんだよね。(『S』サイエンス『F』フィクション、の『F』のほうはまるで無視です)魔法使いにはなれないかもしれないけど、超能力なら科学の力と努力でなんとかなるかも!!
 めらめらと新たな(無駄な)闘志が沸き上がるくらいに面白くて熱中してしまったのを思い出します。

 新刊じゃないけれど新装版だ!
 しかも書き下ろし短篇がふたつも入っている!
 久しぶりの新井素子がうれしくてうれしくて、すぐにがつがつ読み終えてしまいました。

 そして、今。
 新たに力がみなぎってくるのを感じます。
 わたしが超能力をつかえるようになるのは、そう遠くないかもしれません。

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