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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2011/02/15 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

消えた王子 上、下

著者:フランシス・ホジソン・バーネット

出版社:岩波書店

消えた王子 上、下

 最後の一ページまでわくわくし通しの冒険譚。
 子どもの頃に読みたかった。
 そう思う本のひとつになりました。

 バーネットの物語には、勇気と思いやりを持った謙虚な素晴らしい子どもがいつも登場します。もちろん、その素晴らしい子も好きなのですが、わたしが特に好きなのは、わがままで、かんしゃく持ちで、いじけていたりヒステリーを起こしたりする、いやな子どもたちです。
 この物語にも、ラットという少年が登場します。
 かっとなりやすく、乱暴な、人生を諦めきってしまっている子ども。
 そんな子どもたちが、新しい出会いや環境の変化によって、良い影響を受けて変わってゆきます。
 欠点に隠れて気がつかれなかったその子だけの光が、どんどん輝き出すのです。

 だれでも、ひとりひとりに違った光が隠れているのかな、と考えるとなんだかどきどきしてきます。

 息子も、自分だけの光を持っているのかな。

 それがきらきらと輝きだすのを見ることができるかしら。

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