息子が、一歳の誕生日を迎えました。

　この一年間はほんとうに長かった。長く感じた、のではなく本当にその前年と比べても大きさや速度が違っていたと思います。近年過ごしていた一年間の五倍は膨れ上がっているような体感でした。

　七十四歳の娘と十二歳の母。
　
　この一文だけだとおや？と、思ってしまいますが、本を読み終えた後は全然変な事じゃない、不思議だけどあたりまえ、そんな風に感じています。

　たった三十年ぽっち(？)した生きていませんが、それでも時間というやつは勝手にふくらんだり、伸びたりちぢんだり、はるか昔に通り過ぎたはずが、今ごろひょっこり戻ってきたり。
　息子と接していると、ずっと前のおかあさんとわたしが今の時間に時々まじってきます。
　思い出す、みたいなふんわりしたものじゃなくてタイムスリップみたいにその時の空気ごとくっきりあらわれます。
　これも、幽霊の一種みたいなものかしら。
　泣き虫勝負では、いつでもわたしの勝利です・・・強いなぁ・・・。
　
　これからたくさん年を取って、今が遠いむかしむかしのことになっても、過ぎ去ってしまうわけじゃない。失うわけじゃない。

　これから先へ進むのがどんどん楽しみになってきました。
　かっこいい七十四歳になるために、今の時間をめいいっぱい楽しんでいきたいです。