おすすめの本RECOMMEND
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?
2011/08/06 更新
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
フィクション
おかしな本棚
著者:クラフト・エヴィング商會
出版社:朝日新聞出版社
書店員の頃、毎日本棚を整理整頓するのが仕事でした。
作家の名前順、出版社別、いろいろなジャンル別に分類したり、季節のものや話題になっているものをまとめたり。
さまざまな方法で本棚を作るのが、書店員の仕事のひとつです。
しかし、今わたしと夫と息子の兼用している本棚は、無法地帯のまま放っておかれています・・・。
なるべく全体が視界に入らないように、本を取る際には焦点をぼかして、気が付かないふりをしている日々。
このままでは、いけない。
頭の中にはずっと昔からある、わたしのお気に入りの本棚。
ここは、カエルが主人公の本を集めた棚。
ここは、図書館が舞台になっているお話の棚。
おやつにドーナツが出てくる本の棚。
寄宿学校が舞台の本の棚。
乱丁、落丁、誤植の本を集めた棚。
わたしだけにわかる、分類に分けられた素敵な本棚。うふふふふ。
この『おかしな本棚』を読んで、こんな素敵な本棚の作り方があるんだ!と、わくわくしてきました。
空想の本棚はさらに手が加えられて、より複雑に、完璧に分類されてゆきます。
時々、ふと現実の本棚を見てはがっかり・・・。夢に少しでも近づく為にはまず、本棚のキャパが全然足りません。
実家に眠らせている本のことを思うと、一部屋は余分に欲しいのですが。
当分は、この本を読んで素敵な本棚の夢を見続けることにします。