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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2011/11/02 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


文庫

レーシング少女

著者:郁子匠

出版社:ポプラ社

レーシング少女

 プロローグを読み始めてすぐに、聞き覚えのある名前が出てきて、少しの間、天井を見上げて考えました。
 誰だっけ・・・?

 ミック・ドゥーハン・・・あ、マイケル・ドゥーハン!!ワイン・ガードナーと奔ってた人だ!


 子どもの頃、家族の夏の旅行は毎年鈴鹿サーキットでした。
 何台ものバイクがもの凄い音を立てながら、広いコースをぐるぐるぐるぐる、時々交代しながら何時間も回る・・・それをいつまでも大興奮で観ている父を置いて、施設内の遊園地で遊ぶのが楽しみでした。
 気まぐれにレースを観戦している父の隣に座ったりして、爆音に負けないように大声で選手の名前やレースやマシンの蘊蓄を語ってくれるのを、ちんぷんかんぷんに聞いていました。


 この小説の主人公とわたしは、同じくらいの年齢の時、同じ鈴鹿サーキットで初めてバイクのレースを観たんだ。この偶然にどきどきしながら読み始めました。


 主人公の女の子、悠真は、チャンピオンレーサーを夢見てミニバイクのレーサーとして活躍する十六歳。
 バイクどころか運動、部活経験ほとんどゼロのわたしとはえらい違いです。

 ちょっと開いてみただけのつもりだったのに、あっという間に最後のページ。
 お父さんの運転するバイクの後ろに乗せられて、山道をぶっ飛ばされた時のよう。振り落とされないようにしがみついているだけで精いっぱいです。
 読んでいるだけなのに、至るところから重力と風が襲いかかってくるようでした。
 本を閉じた後、やっと息を吸えたくらいです。

 悔しくて歯を食いしばって泣きました。

 嬉しくて拳を握りしめて泣きました。


 読み終えた後も、興奮が冷めやらなくて、なかなか寝付けなくて困りました。
 ほら、もう朝の四時半・・・。


 文系インドア派のわたしには、スポーツ系青春小説は、心も体もスタミナ不足でへとへとです。

 これからもっと面白い本を読み続けるために、どちらも鍛えてゆかなくちゃ。

 とりあえず、腕立て&腹筋を二十回。
 今日はこれで限界だぁ~。
 
 胸もずきずき痛いけれど、これは筋肉痛とは違うから。
 いつまでも感じていたい痛みです。


 


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