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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2012/05/29 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

銀婚式物語

著者:新井素子

出版社:中央公論新社

銀婚式物語

この本と同時に、群ようこの「パンとスープとネコ日和」を読みました。

同じくらいの年齢の、違う道を歩んでいるふたりの女性の物語が、わたしのなかですっかり対のものになってしまっています。


わたしがそこにたどり着くまであと約二十年。

今も少し感じていることですが、年を取るにつれて、どかん!と爆発が起こったような大きなしあわせ、というものがだんだん少なくなっているような気がします。
けれどそれは、しあわせなことが起こらなくなっているのではなくて、大きかったしあわせが、徐々に細かく小さく砕けてきて、ささやかだけれど頻繁に転がってきているような。

この小説のなかでは、それはもっともっと小さくなって砂粒のように静かに日常に降り積もっています。

よく目を凝らしてみないと気が付かないくらいだけれど、きっとずっと変わらないしあわせの量を受けてるんだ。


それから先に行くと、もしかしたらしあわせの粒は目に見えないくらい小さくなるかもしれません。

空気のように、当たり前にしあわせを吸いこんで、よぼよぼのおばあちゃんになっている日が来るのかな。


ここから先もどんなルートを辿るのか全く分からないものですが、空気のように細かくなったしあわせに気付くことができるばあちゃんになりたいな、と思います。


あと「銀婚式物語」も「パンとスープとネコ日和」も猫との生活の幸せが描かれています。

猫・・・かわいいよなぁ・・・大好きなんだけどなぁ・・・。

ネコアレルギーなので、猫と暮らす幸せは得られそうにありません。


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