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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2012/08/04 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 1・2

著者:K.Kajunsky

出版社:PHP研究所

家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。 1・2

 小説や映画と違って、結婚はエンディングではありませんでした。

 普通に暮らしていると、そうそう劇的な出来事は起こりません。
 恋愛中は確かに、ちょっぴりは胸がきゅんとしたり、わくわくするような時間があったけれど最大のクライマックスだと思っていた結婚式が終わった後の、のほほぉ~んとした、何も起こらない、長い長いエンドロール。

 あまり、声高に言うのははばかられるのですが・・・結婚って、毎日もの凄く面白いです。


専業主婦をしていると、カタコトの息子の他は、夫しか話す相手がいません。(・・・いや、これはわたしの生活態度のせいでそうなっているだけですね・・・)
 夫が帰ってくるのを待ち構えていて、毎日毎日しょうもないことをあれこれ話しまくっているのですが、夫はいつまででもわたしの話を聞いてくれる。
 わたしは話の仕方がとても下手で、心の中で自分と会話していた続きをいきなり途中からぶつけたり、昔あったことを急に思い出して爆笑したり、読んでいる本の主人公になりきったまましゃべったり、いろいろ無茶をぶつけるのですが、だいたいはわたしの言いたいことをわかってくれます。

 本当は、全く聞いていなくて、意味がわからないと思っているのかもしれないけれど(夫がまれにノリノリのテンションで話している時がありますが、わたしには訳が分からない内容で、いかにノリノリ風の相槌が打てるかの一点に集中していて話の内容はあまり聞いていないことが多いので・・・)こんなにも、わたしのはなしを辛抱強く聞いてくれて、面白いと言ってくれる人は他にいないだろうなぁ、と思います。


 結婚すると、いつもひとりではない分よけいに孤独が際立つときもあります。


 でもそのおかげで自分がどんな風に出来ているのか改めて仕組みを確認する機会を貰えたり。
 相手がどんな人間なのか、観察すればするほど謎が出て来て終わらないパズルのようでまだまだ飽きることはなさそうです。


 あれ、さっき書いたけれど、結婚の何がそんなに毎日面白いんだろう?
 振り返っても本当に特筆すべきことは起こっていません。
 この本を読んでもらえれば、説明のしづらい愉快さをわかってもらえるかな?と思います。
 

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