おすすめの本RECOMMEND
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?
2012/08/17 更新
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
フィクション
これはペンです
著者:円城塔
出版社:新潮社
叔父は文字だ。文字通り。
気紛れに手に取って開いた本の最初の一文に、こう書かれていれば全部読んでしまうしかありません。
一行で虜になってしまいました。嬉しいな、まるで一目惚れの恋に落ちたようです。
なぜか、この物語を読み始めるとものすごく気持ちが良くなってしまい、何度も短いうたた寝で読書を中断してしまいました。
けして、けっっして!面白くないのではありません。すごく面白くて、読んでいて気持ちが良くてそして・・・むにゃむにゃ・・・はっ!!
この本を読んでこんな風になるのはわたしだけなのでしょうか。
ほんのわずかなうたた寝で、奇妙でカラフルな夢を何度も見ました。
ふたつ収録されているお話のうちひとつが夢の中を行く場面があるから余計にそんな風になるのかな。
読み終えた後、合い間にわたしの夢が差し挟まれてしまってどれが正しい物語かなんだかごちゃごちゃになってきました。
でもきっと再読して、うたた寝をしなかったとしても、読めば読むほど、頭の中の風景がますますごっちゃごちゃになってしまいそうな気がします。
とても綺麗で、奇妙で、あちこち裏返しになっていたり、飛び出したりしている、そんな不思議な物語です。
----------------------------
お買い求めはこちら。