昔、喫茶店で働いていた事があります。

　うら若き少女だったのになぜかウエイトレスではなくカウンターに配属され、毎日コーヒーを入れたり、チョコレートパフェを盛りつけたりしていました。
　てっきり裏方だと思っていたのですが、サイフォンでコーヒーを入れるのを皆さん注目されるので、一挙手一投足が気の抜けない、緊張感のある職場でした。

　そのおかげか、今でも姿勢がいいね、と褒められたりします。
　ぴしっとかっこ良く入れられたコーヒーの方が、なんとなく美味しそうですものね。


　常連のお客さん、一度きりの人、本当にたくさんの様々な人達が喫茶店には訪れます。
　小説の始まりのような不思議な出来事や、思いもよらないドラマや事件が喫茶店では起こります。
　お悩み相談室になってしまうこともたびたびありました。
　この小説を読むと、その頃の事がコーヒーの香りと共に目の前に見ているように次々思い出されて懐かしくなりました。


　喫茶店、大好きです。この本を喫茶店で読みたかったなあ～。
　きっと、小説の中と外で謎や事件に遭遇できると思います。


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