「もう何年も、本は読んでないなあ。」


　久し振りに会った高校の同級生。よく本の貸し借りをしていた読書好きの彼女が。
　なごやかに近況報告をしながらも、この一言にずーっと頭の中は驚きっぱなしでした。

　よまない？本をなんねんも？？

　いえ、彼女は仕事に育児に家事にフル稼働でそんなひまなどなく、わたしがわりかしひま人だっていうだけなんですけどね・・・。
　本の虫、などと自分のことをいうのは大変おこがましいのですが、わたしが本の虫界の中でありんこみたいなものだとしたら、ビブリア古書堂の店主、栞子さんは王蟲くらいの底抜けの本の虫です。
　一応同じ虫として、本のあらすじや内容や、好きな一節、その作者について、延々と話すのがわたしも大好きです。
　でも、そんな話を聞いてくれる人ってなかなかいないんですよね・・・。
　なぜか夫は、わたしの話をいつまでも聞いていてくれるので（通勤時刻や生理現象などが迫っていない限りは）毎日楽しくて、結婚してよかったなぁ～☆と、その件についてはいつも思っています。

　夫も、好きな映画やへんなバンドの歌の変な歌詞について、お笑い芸人がラジオでこう言ってた・・・などと延々と話しかけてくる時があります。
　そんな時は熱心に相槌を打ったり、いかにも聞いているような合いの手をいれながら、ぜんぜん別の事を考えていたりします。あまりに興味がない事柄はどうしても頭の中に入ってこなくって。


　むむっ？？もしや夫も同じように・・・？？
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