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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2013/04/21 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

著者:村上春樹

出版社:文藝春秋

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

 最近、忙しくて読書をする暇がない夫。 わたしが本を読み終えると内容をかいつまんで説明してよ、と言ってきます。

 読まないなんてもったいない・・・と思いながらも口頭で説明していくと、あれ?話が終わらない止まらない!
 とにかく、語ることが多すぎます。

 まず、主人公が今までの小説に比べてすごく親しみが持てます。共感を越えて、これはわたしだ、と思えるくらい。

 そして、だれにでも起こりうる、体験したかもしれない出来事と痛み。でも、ありがちな事件でも受け取る本人の衝撃や苦しみはとても深く、厳しいものだということ。

 まだこどもの時代を過ごしている人にすごく読んで欲しい。そして青春時代をくぐり抜けるお守りにしてほしいと思いました。


 人間はひとりだって歩いていけるけれど、人と繋がろうと勇気を出したつくるくんに良いことがありますように、辛い思いをすることが少なくありますようにと祈らずにはいられません。


 村上春樹作品の登場人物で、笠原メイ、星野くんと同じくらい多崎つくるくんが好きになりました。


 それにしても、わたしの下手な説明で面白かった、って本当にいいの?
 絶対読んだ方がいいって、夫よ!!




 

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