わたしも、完全にこの物語のなかの誰かと入れ替え可能だ・・・！
　そう思わせてくれるこの小説はいったいなんなんでしょう。作者の年がひとつ違いの同世代だからなにもかもわたしと一緒だ、と感じるの？なんだか隣同士に育った幼馴染に対するくらいに、親近感を抱いてしまいます。まったく知らない人の書いた、物語の中にいる架空の人たちなのに。

　一行読むごとにびりびりに共感しているのは、どうやらわたしだけではないようです。読む人誰もがこれを『わたしだ』と思う。
　どういうこと？実はみんな一緒なの？全くわかり合えないと思っていた人すらも、誰でも彼でも？すごくわかるのに、同時にさっぱりわからなくなります。

　強烈なわかる！とわからなさが交互に襲ってくる不可思議な読み心地。登場人物たちのお互いの伝わらなさっぷりに、明日からの人間関係に、逆に希望が沸いてきました。
　皆、違いすぎちゃって一周して皆一緒・・？みたいな明るい気分になれます。間違った理解だと思うけど。


　あ～、松田青子とふたりで声を揃えて叫びたい。

　嘘ばっかり！嘘ばっかり！ウォータープルーフ嘘ばっかり！


　

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