おすすめの本RECOMMEND
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?
2014/06/14 更新
いつか読書をする人へ
井上いつかがおすすめする本です。
文庫
赤毛のアン
著者:ルーシー・モード・モンゴメリ
出版社:新潮社
息子にお伺いをたてていただく15分間のテレビ休憩。
『花子とアン』を観ているとやはり気になって久しぶりにシリーズを読み返してみました。
子供の頃は、実はアンのことがあまり好きになれませんでした。
『小公女』のサアラはいつも誇り高く優しいのに、アンは浮かれてしょうもない失敗ばかりして、怒りっぽくてすぐ喧嘩腰になるし。
同じ孤児だった『あしながおじさん』のジュディと違って、田舎の老兄妹に引き取られて華やかなシンデレラストーリーとはかけ離れた地味な生活だし。
読み返してみて、びっくりしました。すごく面白かったから。
子供の頃、わたしは自分以外の何か素敵なものになりたかった。地味で、平凡などこにでもいるような自分が嫌でした。
女の子なら誰でも思うはず、アンはまるでわたしのよう、と。
普通の、何の事件も起こらない人生。それがつまらないものになるかどうかは自分の努力と感じ方次第なんだなあ。
わたしも普通の大人になり、結婚をして、子供を産んで、特に珍しいことのない人生を送っています。でもわたしにとってはどの出来事もかけがえのないものばかりです。
久しぶりにアンに会って、あらためて自分であることを楽しんで行こうと思いました。
あと、もうちょっと頑張って生きよう。という訳で珍しく家中の窓と鏡をピカピカにしてみました。
…誰か…誉めてくりょう!
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