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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2015/08/13 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


文庫

街角の書店

著者:フレドリック・ブラウン、シャーリィ・ジャクスン=他

出版社:東京創元社

街角の書店

どのジャンルがすきなの?と、聞かれていつもうまく答えられなかった。

SFはもちろん大好きだけど、サイエンス的な物語には興味をひかれない。ホラーも、ミステリーも、ファンタジーもジュブナイルも純文学も好きだけれど、そのジャンルのほんの一部にしかぐいぐい引っ張り込まれることがない。

どのジャンルも極められない半端者の気持ちで、読書家の人たちの後ろのほうに小さくしゃがんでおりました。

でも。このアンソロジーを読んで初めて自分の嗜好に気付くことができました。〈奇妙な味〉それがわたしの好きなものなんだ!!!

〈奇妙な味〉というのは、江戸川乱歩の造語だそうです。どんな味か?この本を読んでもらえればわかります。そうなの!わたし、こういうのが好きなのよ!!

読み終えた後、こっちの世界に馴染むのにしばらく時間がかかってしまう〈奇妙な味〉。物語の色が、本を閉じた後も視界に焼き付いてしまっていて、周りが違う色合いに見えてしまってなかなか戻ってこられません。


シャーリィ・ジャクスンの短編が収録されていると見れば、買わないわけにいきませんよ!ああ、面白かった!!

今夜はわたしの読む本に全然興味をもってくれない夫に、この本の筋を延々語るナイト開催です。
きっと夫はわたしの話を聞き流しながら映画『ホットファズ』を観ることでしょう…。


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