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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2016/04/23 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


文庫

美女と野獣 

著者:ボーモン夫人

出版社:KADOKAWA

美女と野獣 

 しまった。

 何事にも調子に乗りやすい性格で、自分自身にもうっかりしてしまいました。

 ここ数年数年のお片付け本マイブームで必要ない!と処分してしまったいくつかのものたち。

 まあ大半は本当に必要のなかったなかったものなのですが時々、あれがない!!と部屋をひっくり返してしまいます。
 
 そのものとは、やはり、本。

 わたしは、いつも読んでいるわりには読書量が少なく、持っている本の数も少ない、と読書友達に言われたことがあります。それは、しょっちゅう同じ本を再読するくせがあるからです。
 レンタルDVDも一度借りたものをまた借りてしまう。
 うちでもスター・ウォーズとハッシュとユー・ガット・メールとジブリのDVDばかり観ています。
 ミスドではオールドファッションしか食べない。浪漫珈琲ではプレーンワッフル。

 なんだか途中から関係ないわたしの偏屈趣味を書き連ねて連ねてしまいましたが、とにかくわたしは、実家を出た際に厳選してきたはずはずの蔵書を処分するという『おかたづけ・ハイ』をやらかしてしまったのです…。

 美女と野獣が、ない!!

 もちろん速やかに新刊文庫文庫を買いなおし、すぐ心の平穏を取り戻せたのですが(職場が書店ってすばらしい!!)よくこの本をなくして数ヶ月平気だったな自分よ…とあきれています。

 20年、この本を読み続けています。この本は、わたしの人生を歩くための靴です。
 この本に本に出会って、初めて靴を履き自分の道を歩き始めた、一歩外へ踏み出せました。

 ボーモン夫人の傑作は、タイトルの皆がよく知る知る『美女と野獣』ではありません。

 こころのやさしい、うつくしい姫はしあわせになれる?

 そんなのあたりまえじゃん!!

 この本には、野獣の姿のままの王子様が出てきます。

 いじわるな姉にも救いがあります。

 ただし救われない女もいます。

 15歳のわたしが、こんなに素敵な靴に出会えて、すこしでもこの靴に靴に見合うようなりたいと丸めた背中を少し伸ばせるようになりました。

 今日も読み返します。
 
 でも処分したのが『ラーラはただのデブ』じゃなくてよかった~。あっちは絶版で、もう手に入らないかも入らないかもしれないから。

 おかたづけはほどほどにします。


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