まず、表紙の絵にひとめぼれをして買いました。

　久しぶりのジャケ買いです。

　古い絵本にでてくるような四角い箱に手足をつけたようなロボットが、植物のそばにそっと置いてある。まるで子供のおもちゃの忘れ物のように。

　最初は、このポンコツロボット・タングのやることなすことにいらいらし、そのダメロボに自分を重ね合わせて庇っているベンにもいらいらし、そりゃ妻のエイミーも愛想をつかすわね…と思いながら読んでいました。

　読んでいくうちに、ベンにいらいらしているのは、自分に似ているからだ、と気づいてしまいました。ベンはわたしの１歳年下。２０代は通りすぎ、大人になり過ぎるほどの歳はもう取っている。自分の人生に責任を持つべき時期です。
　いつまでも、誰かの指示を待って、ある道ををたどって生きていたかったけれど、そろそろ行き先は自分で決めなくてはいけない。

　ベンの元にタングが現れて、ベンが否応なしに歩き出したように、わたしもある時から、もう前に進むっきゃねえ状況に追い込まれ、回らぬ足で走ったり転げたりを続けています。

　人は変われる！！…ような、そうでもないような。

　うちにもタング、来てくれないかなあ。
　
　いや、来たら大変だろうな。やっぱり有能な機能満載のアンドロイドを希望します。
　お掃除・洗濯・料理を手伝って！！