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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2019/05/16 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

私と鰐と妹の部屋

著者:大前粟生

出版社:書肆侃侃房

私と鰐と妹の部屋

読んでいる途中で、ふと我にかえる。

わたしは、なんのために、この本を読んでいるのだろう…!!

感動した。ためになった。目からうろこがぽろぽろと落ちた。虫歯が痛まなくなった。痩せたような気がする。

本を読んで得るもの。最近は直接的な効能やライフハックや心理的駆け引きの技など、なんだか得るものを求めて読書をしていたのにはたと、気づきました。
これが…大人になるってやつかッッッ!!

この本は、読んでもなんにも得られない。
妹の眼からビームが出たり、おいてけぼりのこっくりさんを連れて帰ったり、訳のわからない奇妙で不可思議でむちゃくちゃな短いお話が、怒濤の勢いで畳み掛けてきます。いや、怒濤の勢いは読み手のさじ加減か、でもとにかくこの言葉たちを、たっぷりの緑茶と一緒にがぶがぶと飲み下し、ホグワーツの百味ビーンズみたいに、ほとんど歯をぞわぞわさせながらぜーんぶ飲み込んだ後のこの爽快感。
わたし、この本大好きだ。
おいしかったかと言われると、なんとも言えない。
人に薦めるのもちょっとためらう。
むちゃくちゃな短いお話の中に、どこかで嗅いだ埃臭さや、忘れたい恥を思い出す。
発掘した子ども時代の宝箱だ。
開けると、見るもおぞましい(虫など沸いていたりして!!)のに、それは今でも宝物のままなのだ。

カフェインもキュウリも(栄養がほぼゼロ)、それから本も。
役に立たなくても好きだから。
とにかく積極的に摂取していく所存です。

これはとにかく好きだというおすすめ文なのです!そうとは読めないかも知れませんが…

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