いつからか、村井理子訳と書かれた本を追いかけるようになった。
　彼女の見つけるもの、世界の描きかたがすごく好きなんだ。と後になって気が付きました。

　この本は、翻訳家である著者の家族との日々を綴ったエッセイです。
　2016年から2020年、小学生から中学生に成長する双子の息子たち、めきめきと成長する大型犬ハリー、夫婦の日々や仕事のことが描かれています。

　やっぱり、わたしは村井さんの見かた、感じ方が好きだなあ。
　ひとつひとつの出来事が、何度読み返しても落ち着かせてくれます。うれしいことも、かなしいことも。

　誰かのために、だとひとりではできないこともできる。家族に尽くすことを別に嫌だとは思ってはいません。やりがいのある、しあわせなことだと思う。
　けれど、いつからだろう。自分の心や頭の中が自分以外のことでいっぱいになっていたのは。

　我慢も、自己犠牲もしてたつもりはぜんぜんないんだけどなぁ。

　この本をよんでいてそれに気づき、自分の心の中を、わたしでいっぱいにしてみる。

　なんだか、すごい爽快感です。ちょっとの間だけでもわたし最優先にしてみよう。
　今日の晩御飯のメニューとか。