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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


啓文社スタッフ「井上いつか」による本のレビューです。井上いつかがお送りするコラム!
啓文社のスタッフであり、『本の虫』としても有名な「井上いつか」がオススメする本のコラムです。さて、今回はどんな本でしょう?

2020/12/16 更新

いつか読書をする人へ


井上いつかがおすすめする本です。


フィクション

日没

著者:桐野夏生

出版社:岩波書店

日没

わたしたちは、いつでも見張られている。
失言を、ミスを、間違いを、勘違いを、やってもいないことを。いつ、どこから、誰にでも指を指される。

産前産後に小説『ダイナー』と映画『シューテム・アップ』を何度も何度も繰り返し見て、必死に脳と心を元の位置に押し戻したことを思い出す。ドン引きされても仕方がない。けれども、わたしたちは、頭の中だけは、わたしたちの世界ではなかったか?

目を覆うような凄惨なことがらは、見なければこの世から消えるのか。

『正義』であれば何をしてもいいのか。

歯を食いしばって読みました。
読みながら、怒りで目の前が赤くなったり、鼻血が出たり。

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