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本さえあれば、日日平安
長迫正敏がおすすめする本です。
本さえあれば、穏やかな日日。ほっこりコラム連載中です。本好きのほんわかブログ・「本さえあれば、日日平安」
本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!
2013/01/21 更新
本さえあれば、日日平安
長迫正敏がおすすめする本です。
ノンフィクション
人生はワンチャンス!
著者:水野敬也+長沼直樹
出版社:文響社
夢のようだった。その時、私は20代前半と思しき女子4名に囲まれていた。彼女たちは私に向かって口々に「可愛い!」を連呼しているのだ。
ただ正確には私が抱っこしている、もうすぐ1歳になろうとしていた息子に対してだった。
駅前のデパート、7階ベビー用品売場での出来事。奥さんは娘を連れて別の用事で売場を離れていた。私は奥さんからの「待て!」の指令を律儀に守り、息子を抱っこしてその場所に留まっていた。
彼女たちは友人の出産祝いを探していたようで、私たち親子を見かけ「何を贈られたら嬉しいですか?」と尋ねてきたのだ。
彼女たちは赤ちゃんが珍しいのか、息子の小さな手を触ったり、ほっぺをツンツンして歓声をあげた。息子が愛想よく笑うので、彼女たちは益々盛り上がった。
息子に顔を近づけ笑顔を見せる若い女性。当然抱っこしている私の顔ともかなり近い。彼女たちの甘い香りが鼻をくすぐる。
気付かれないよう、そっと深呼吸してみた。奥さんから「よし!」の許可は無いけど、これくらい大丈夫だよなぁ、とドキドキしながら・・・
「お父さんどしたん?顔が真っ赤」、帰ってきた奥さんが言う。「こ、ここは暖房がキツイから」と何とかごまかした。
遊んでもらいご機嫌な息子と、息子に負けないくらい本当はご機嫌な私。鼻歌まじりにハンドルを握り帰宅の途につく。奥さんからの「ハウス!」の指令に従い。
次の休み、また何かが起こるのではないかと期待して、息子を連れてそのデパートに行った。「今日は子どもの面倒をみるからゆっくりしといて」と告げると奥さんは喜んだ。渡されたお出かけセットを背負い、いそいそとデパートに向かった。
その日も女性に囲まれた。優しい目をした穏やかな女性たちだった。ただ、前回の約3倍と推定される年齢の女性たちだった。
息子をあやしてくれるお婆ちゃんに「近すぎじゃろー」とは言えず、しばらく息を止めていた私の顔は、また赤くなっていた。
湿布薬とお線香の香りに包まれながら私は悟った。良いことは、そんなに続けては起こらない。「人生はワンチャンス」なのだ。
『人生はワンチャンス! 「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法』
「夢をかなえるゾウ」で私たちに希望を与えてくれた著者も、実は悩んでいた。「仕事をする上で大切な言葉」、「自分を戒める言葉」を思いついたり見つけたりしたとき、手当たり次第壁に貼っていた著者は、この大切な言葉が「犬」のように、いつもそばにいたり、どこへでも連れて行ってもらえるようにと願いを込めて本書をつくり上げた。
かわいくてユーモラスな犬の写真に癒され、偉人たちの言葉に励まされる。ワンダーでワンダフルな1冊。
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