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本さえあれば、日日平安

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長迫正敏がおすすめする本です。


本さえあれば、穏やかな日日。ほっこりコラム連載中です。本好きのほんわかブログ・「本さえあれば、日日平安」
本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!

2013/12/08 更新

本さえあれば、日日平安


長迫正敏がおすすめする本です。


ノンフィクション

ゼロ

著者:堀江貴文

出版社:ダイヤモンド社

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ゼロ

妻に言わせると、私は最近「笑ってない」らしい。
原因は分かっている。それは自分で解決するしかないことだ。他人からすれば簡単に処理できる案件でも、私にとっては悩ましく、手強い。ダメダメな自分を思い知らされる毎日。

休日に塞ぎ込んでいる私を見かねた妻から、「そうだ、デートしよう!」と半ば強引に連れ出された。
妻が運転する車で色んな話をする。と言っても私は聞くだけだ。彼女にとって「しゃべるな!」と言われるのは、「息をするな!」と言われるのと同じくらい辛いことらしい。まさに息つく間もなくしゃべり続けている。
ほとんど聞き流していたが、ある話題に興味が湧いた。「夫婦のどちらかが50歳を過ぎていると映画が割引になる」というのだ。もちろん年齢の証明は必要だろうが、その男女が夫婦であることの証明は必要なのだろうか?

例えば、私が妻以外の女性(想像では、もちろん妻よりずっと若くて可愛い!)と映画に行っても、「夫婦です。」と言えば夫婦50割引きが適応されるのだろうか。
もしかして、もしかしてだけど・・・、どぶろっく調のフレーズが頭に浮かび、「映画館の受付で、まさかそこまでは調べんだろうな・・・」と思った瞬間、妻は言った。
「お父さん、何か楽しそうじゃね。私とデートするんがホントに嬉しいんじゃね。」

やっぱりその程度で解消されるレベルなのだ、私の悩みなんて・・・


『ゼロ』 堀江貴文・著 ダイヤモンド社・刊

― 多くの人は混同しているが、「悩む」と「考える」の間には、決定的な違いがある。~ 人は悩もうと思えばいくらでも悩むことができる。そしてつい、そちらに流されてしまう。一方の「考える」とは、物事をシンプルにしていく行為である。 ~ シンプルだったはずの課題を複雑にしているのは、あなたの心であり、揺れ動く感情である。―

その通りだろう。理屈では分かっている。分かってはいるが、ドライ過ぎないかと思う。人は感情を持った生き物だ。多くの人が携わっている現場は、多くの人の心で回っている。うまく回るかどうか、働いている人の気持ち次第だ。シンプルに割り切れるものばかりではないのでは。

でも本書を読むと、この考えを押しつけようとしている訳ではないことが伺える。素直に伝えたいだけなのだ。著者は自身のダメダメだった過去を振り返り、初めて弱い自分をさらけ出している。そして自分の経験を周りの人に伝え、仲間とつながり、みんなと笑顔を分かち合いたいと願っているだけなのだ。
誤解されても、誤解するほうが悪いと強がっていたあの頃と決別し、わかってもらおうと努力している。そもそも努力するという言葉すら、これまでの人生で使ってこなかった著者なのだ。
自分の気持ち、考え方を素直に語ろうとしている姿に、素直に耳を傾けたくなる。

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