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本さえあれば、日日平安
長迫正敏がおすすめする本です。
本さえあれば、穏やかな日日。ほっこりコラム連載中です。本好きのほんわかブログ・「本さえあれば、日日平安」
本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!
2014/08/27 更新
本さえあれば、日日平安
長迫正敏がおすすめする本です。
コミック
0円で空き家をもらって東京脱出!
著者:つるけんたろう
出版社:朝日新聞出版
「お父さんの子どもで良かった!」
息子にそう言われたのだ。高校を卒業して実社会で働くようになり、初めて父親の偉大さが分かったのだろう。それにしても泣かせる台詞ではないか。
私の育て方は間違っていなかったのだ。いい子に育ってくれたものだ。
子どもと接する時に気を付けていたのは2つだけ。
「焦らさないこと」、「話は全部聞いてあげること」
私自身が子どもの頃、「早くしんさい!」と言われるのが苦手だったのと、自分の考えや思いを少し話しただけで「いや、そうじゃないじゃろー」と頭から否定されてきた経験があったからだ。
息子の勤め先は朝が早い。朝6時過ぎには車で出勤している。中古の軽自動車ではあるが、19歳にして既に自分の車を持っているのだ。
もともとわが家の車は、私と妻の2台だった。その後、娘が働くようになって3台になり、息子も働くようになって何時の間にか4台に増えた。
ただ、息子は最初原付で通勤するはずだったのだが・・・
大体の予想はつく。彼は私の実家に行き、こう言ったに違いない。0円で車をゲットするために。
「おじいちゃんの孫で良かった!」
いい子に・・・、少なくとも私より要領のいい子に育ったようだ。だが私の育て方は間違いではなかったのだろうか。今頃になってモヤモヤとした不安がつのってくる。
「0円で空き家をもらって東京脱出!」 つるけんたろう・著 朝日新聞出版・刊
つるけんたろう、熊本出身、30歳。漫画家をめざして上京したものの、まったく芽が出ず、絵に描いたような東京貧乏ライフを送っていた。
「もしやオレは、この都会でただいたずらに人生を消耗しているだけじゃないのか?ほんとうにこれでいいのか・・・?」襲ってくるモヤモヤとした重圧と焦り。
そんな時、福山市出身の友人から聞いた尾道の空き家の話。
「坂と石畳と路地ばかりの傾斜面には古い家が建ち並び車も入れない。高度成長期以降若い世代が次々に都会へ出ていき、現在でも空き家が増え続けている。解体するにも何百万もかかり、持ち主にとっては負の遺産。そのため家も土地もタダになることがある。」
「東京を抜け出す!尾道に行く!!」、そう決めると渡りに船で本当に空き家を0円でゲット!地元の人と助け合い、自ら左官作業で家を直して住む、そんな地方移住ライフをつづったリアルなコミックエッセイ。
「オレがやる、協力する、明るくする」で何でも乗り越えられることを証明した、今私たちが最も読んでおくべき勇気の出る1冊。
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