「香港に行ってきたよ！」と娘からＬＩＮＥが届いた。彼女はワーキングホリデーで海外に滞在中だが、ある期間が過ぎると一度は出国しなければならないらしい。それならば日本に帰ってくればよいものを、良い機会なのでと観光に出かけたというのだ。
　
娘が初めて海外に行ったのは２０歳の時だった。「成人の日」にあえて地元の成人式には出席せず機上の人となった彼女は、カッコよく言えば自分の成人式をセルフ・プロデュースしたのだ。
それ以降、彼女はこの５年間で６つの国と地域に行ったことになる。まだ一度も日本から出たことが無い私とは大違いだ。まさかこんな娘になろうとは思いもしなかった。

娘が中学生の時だ。陸上部だった彼女は、竹ケ端運動公園陸上競技場で行われる大会に部活の友だち数人と自転車で向かった。事件はその帰り道に起きた。
娘は皆とはぐれ迷子になってしまったのだ。

「帰り方がわからん、迎えに来て～」と泣きながら家に電話してきた娘。彼女は極度の方向音痴だったのだ。

あきれながらも奥さんは周りの様子を聞き出し、『そこに居りんさいよ。』と当たりを付けて車で向かった。当時わが家の車は、スバルのサンバーという軽のワンボックスだった。やがて奥さんは娘と自転車を乗せて無事帰ってきた。
中学生で迷子になったことをからかってやろうと思っていた私だったが、目を腫らした娘を見ると「しょげないでよＢａｂｙ♪」と『はじめてのおつかい』の例の曲が頭の中で流れてきてしまい、胸がいっぱいでそれどころではなくなった。
あれから１０年、娘は海外で一人暮らしをしている。

どんなお嬢さんになるのか。女の子の成長は、ホントにわからんものです。でも、その時、その時に色々と楽しませてくれる娘がいてくれるのは、ホントに幸せなことです。
本書は誰かの娘さんである全ての女性の方々、そして娘さんを持つ全てのお父さんにお勧めできる１冊です。

『芸人と娘』　　尾関高文（ザ・ギース）・著

―　けさ娘を幼稚園のバスまで連れていった時、娘が友達全員に「ねえ！ここダンゴムシがいるよ！」と話しかけたのに誰も聞いてなくて親としては物悲しい気持ちになったのだけど、
『だれも聞いてないんかーい！』
と娘が一人でつっこんでいるのを見て、今のところ自分の育て方は間違っていないのだと思った。　―

人気お笑いコンビ「ザ・ギース」の尾関氏、初の著作。幼稚園の娘についての人気ツイートがイラスト＋新ネタ満載で書籍化！


『芸人と娘』（飛鳥新社）発売記念・尾関高文さんトーク＆サイン会
　
日付・期間： 5月15日（日）トークショー午後4時～　トークショー終了後、サイン会
場　所： 啓文社ポートプラザ店　特設コーナー

内　容：
【トークショー】参加無料。席に限りがあるため、立ち見になる場合がございます。
【サイン会】定員：100名
『芸人と娘』お買上げの際、サイン会参加ご希望の方に整理券を配布いたします。
サインはご購入の著書に限ります（色紙、グッズ等は不可）。

備　考： 【プロフィール】
尾関高文(おぜき・たかふみ)
1977年8月6日生まれ。190センチ78キロ。
相方の高佐一慈とともにお笑いコンビ「ザ・ギース」として活動。キングオブコント2008・2015ファイナリスト。言葉やストーリーの仕掛けに満ちた独特のコントを演じ、毎年精力的に開催される単独ライブには多くの観客を動員している。
その他「アメトーーク！(広島カープ芸人)」(テレビ朝日系) 出演など、広島カープへの幅広い知識を活かし活動。無類の恐竜好きとしても知られ、科学番組の恐竜ナビゲーターを務め、佐賀県立宇宙科学館などでイベントも行っている。