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本さえあれば、日日平安

本さえあれば、日日平安

長迫正敏がおすすめする本です。


本さえあれば、穏やかな日日。ほっこりコラム連載中です。本好きのほんわかブログ・「本さえあれば、日日平安」
本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!

2019/01/21 更新

本さえあれば、日日平安


長迫正敏がおすすめする本です。


フィクション

まんが物語福山の歴史 上下巻合冊版

著者:シナリオ・構成:中山善照/監修:村上正名

出版社:啓文社

まんが物語福山の歴史 上下巻合冊版

台湾から娘が帰ってきた。結婚して初めての里帰りだ。と言ってもまだ1か月だが、やはり会えると嬉しい。
国際結婚なので色々と手続きがあるらしく、到着したその足で直ぐに市役所に行き、翌日には広島、そして大阪と忙しくしている。書類に記入漏れがあったり印鑑が違っていたり、相変わらずのバタバタのバタコさんだ。

でもこれまでと異なるのは、帰ってきたのが娘だけでなく旦那と一緒だということだ。いつも2人で引っ付いていて、歩くときは手を繋いでいる。新婚さんだから仲がいいのは当たり前、私が入り込む余地などない。
幸せそうで良いのだが、見ていて少しだけ切なくなる。乙女心のように親父心も複雑なのだ。

今後は旦那も一緒に帰ってくる。もれなく付いてくるのだ、もれなく・・・そう考えていると意地悪したくなった。ブラックお父さんの登場だ。
結婚式は台湾で完全なアウェーだったが、ここは日本だ。私のホームで地の利がある。彼を車で遠くに連れ出して、そのまま放置してやろう!フフフ・・・

だが彼は日本語が話せる。親切な日本人に尋ねながら、きっと帰ってくる。いつもニコニコしているので、やさしい地元の人からお土産まで貰ってくるかも知れない。
語学力があるのは強みだと改めて感じる。

それに彼は英語もできる。実はすごく賢い青年なのだ。何せ台湾で一番の大学を出ている。日本でいえば東大にあたるらしい。
最初に聞いた時、奥さんと2人で「どひゃ~」と驚いた。そんな昭和チックなリアクションしか出来ない私たちのとこにやってきた彼は、わが家にはもったいない婿さんなのだ。

彼が初めて来た時は、鞆の浦や因島に行った。今回はあまり時間がなく、家からすぐ行ける福山城と広島県立歴史博物館を案内した。
もともと歴史に興味がある彼は、じっくりと見て回っていた。一時も娘から離れないので私にとっては面白くなかったが、彼にとっては展示物の全てが面白かったようだ。もしかすると既に私より福山の歴史に詳しくなっているかも知れない。
負けられん、勉強せんといけん。

『まんが物語福山の歴史 上下巻合冊版』 啓文社・刊
福山の成り立ちや人々の暮らしが、面白くわかるように漫画で描かれた福山の歴史本です。
子どもから大人まで楽しみながら学ぶことができます。昭和60年に発行した上下巻を一冊にまとめ、部分的に改訂しました。全328ページ。福山の歴史を知るならコレ!わかりやすい!おもしろい!と評判です。
 
彼を連れて実家に行き、私の父、娘にとってのおじいさんにも会ってもらった。父は孫娘からプレゼントされたiPadで、囲碁やオセロでの脳トレを日課としている。
しばらく歓談して初対面の緊張も解けた頃、父はiPadを取り出し孫娘の婿殿にオセロでの勝負を挑んだ。一進一退だったが、最後は父が勝った。もちろん彼が手加減してくれ、父に花を持たせてくれたのだ。婿殿のおかげで和やかな一日が過ごせた。
一年後と言わず、もっと頻繁に帰っておいで、意地悪なんかしないから。

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