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本さえあれば、日日平安

本さえあれば、日日平安

長迫正敏がおすすめする本です。


本さえあれば、穏やかな日日。ほっこりコラム連載中です。本好きのほんわかブログ・「本さえあれば、日日平安」
本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!

2019/08/06 更新

本さえあれば、日日平安


長迫正敏がおすすめする本です。


文庫

雷桜

著者:宇江佐真理

出版社:KADOKAWA

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雷桜

今回ご紹介するのは、第一回『もし「ポツンと一軒家」に持っていくならこの一冊!』の栄えある第1位です。
もちろん私が個人的に考えたテーマと勝手につけた順位です。たまに目にする「もし無人島に持っていくなら~」という質問を変えただけです・・・、あしからず。

最近「ポツンと一軒家」にハマっています。衛星写真を基に人里離れた山中にポツンとある一軒家を訪ね、そこに暮らす人たちの生活やこれまでの人生を紹介するTV番組です。
何でも一人、または家族で工夫しながら、不便さを楽しんでいる暮らしぶりに憧れと懐かしさを感じます。

またまた前回と同じく50年ぐらい昔の話で恐縮ですが、私の実家は農家で、この番組内で見ることもある土間がある茅葺き屋根の平屋でした。囲炉裏はありませんでしたが、井戸があり薪で沸かす五右衛門風呂でした。お手洗いは昔ながらの〇〇〇〇で、母屋(おもや)の端というか外にあるという感じでした。また子どもには恐ろしい般若のお面が飾ってある祖父母の部屋を通って行くのが最短でしたので、幼いがゆえに何も分かっていない妹にお願いして付いて来てもらい、扉の前で待ってもらっていました。

建て替えていますので現在の実家は違います。でも、その様な家に四世代・家族8人で暮らしていたのです。今にして思えば、貴重な体験です。1年が今よりもずいぶん長くて、季節の変化が今よりハッキリしていたように思います。
そして子どもだったということもありますが、考えて動くというより、感じるままでした。今よりも野性的だったようです、これでも・・・

『雷桜』 宇江佐真理・著 角川文庫

江戸から三日を要する山間の村で、生まれて間もない庄屋の一人娘、遊が、雷雨の晩に何者かに掠(さら)われた。手がかりもつかめぬまま、一家は失意のうちに十数年を過ごす。その間、遊の二人の兄は逞しく育ち、遊の生存を頑なに信じている次兄の助次郎は江戸へ出、やがて御三卿清水家の中間として抱えられる。が、お仕えする清水家の当主、斉道(なりみち)は心の病を抱え、屋敷の内外で狼藉を繰り返していた・・・。遊は、“狼少女”として十五年ぶりに帰還するのだが ―。運命の波に翻弄されながら、愛に身を裂き、凛として一途に生きた女性を描く、感動の時代長編。

「ポツンと一軒家」から本書を思い出し、読み返しました。再読なのでストーリーは分かっています。でも、遊が山を下り家に戻ってくる場面まで一気読みでした。それは読みたいというより、遊が戻ってくる、その場に立ち合いたいという気持ちからでした。
そして遊が帰ってからの展開は、もっと気になりました。山中で育った狼娘が、村での普通の暮らしに馴染めるのか。本人が幸せと感じることと周りの人が思う普通の幸せとの差は、あまりにも大き過ぎる。普通の反対は特別や異常ではなく、純粋あるいは無垢かも知れないと感じます。
面白くて、結局最後まで一気読みでした。再読なのに。

いつ頃になるかわかりませんが、再々読は本物の「ポツンと一軒家」でしたいものです。

啓文社では毎年「日本一短い感想文コンクール」を実施しています。今年、2019年で第24回目を迎えます。本を読んだ感想を30字以内にまとめてご応募いただくもので、入賞された方には図書カードのプレゼントもあります。
応募用紙は啓文社各店の店頭で配布しています。また啓文社のHPからもご応募いただけます。9月16日が締め切りとなっています。たくさんのご応募をお待ちしています。

あなたにとっての『もし「ポツンと一軒家」に持っていくならこの一冊!』をお教えください。そして『雷桜』のご感想も、ぜひお願いします。

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