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本さえあれば、日日平安

本さえあれば、日日平安

長迫正敏がおすすめする本です。


本さえあれば、穏やかな日日。ほっこりコラム連載中です。本好きのほんわかブログ・「本さえあれば、日日平安」
本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!

2019/08/26 更新

本さえあれば、日日平安


長迫正敏がおすすめする本です。


フィクション

おじさんのかさ

著者:佐野洋子

出版社:講談社

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おじさんのかさ

ちょっとした自慢ですが、全国で3位になりました。カラオケではありましたが、歌で全国ランキングの3位に入ったのです。点数はそれほどでもなかったので、余計に驚きでした。
よく見ると、その曲を歌ったのは、私も含め日本全国で5人だけでした。3位といっても5人中の、でした。
ああ、やっぱり…

順位が下がってはいけないので曲名は教えられませんが、1970年代のフォークソングです。
それでも、この3位という順位は嬉しくもありましたが、残念にも思いました。大好きなアーティストのあの名曲を、その系列の店舗内だけのことでしょうが、5人しか歌っていないとは。
「いい曲なんです!」と皆に教えたい。あのアーティストとあの曲を「関ジャム完全燃SHOW」で取り上げてもらい、多くの人に知らしめたいという衝動に駆られます。

その反面、ホッとしている自分もいました。出来れば、これからも歌って欲しくないという気持ちにさえなりました。私と、悔しいけど私の前に既に歌っていた、たぶん皆似たり寄ったりのオジサン達であろう他4名だけの曲にしておきたいからです。
人の心とは不思議なものです。

「おじさんのかさ」 佐野洋子・著 講談社

おじさんはとても立派な傘を持っていました。出かける時はいつも、このお気に入りの傘を持って出かけました。でも、いままで一度も、その傘をさしたことがありませんでした。なぜなら、大切な傘が濡れるのがイヤだからです。
おじさんは雨が降ると雨宿り、雨がやまないと知らない人の傘に入れてもらいます。子どもから「おじさん、あっちにいくんなら、いっしょにいれてってよ」と頼まれても知らんぷりです。
でも子どもたちが雨の中、仲良く傘をさして「あめがふったらポンポロロン」、「あめがふったらピッチャンチャン」と楽しそうに歌う姿を見て“ほっこり”したおじさんは、ついに!

あなたは、好きなものは大切にとっておきますか、皆に見せますか?
楽しかったことを自分の胸にしまっておきますか、誰かに話しますか?
好きなものは最初に食べる派ですか、最後までとっておく派ですか?
夏休みの宿題は早めに片付けますか、ラスト3日間が勝負ですか?

最後はあまり関係なかったですが、大切に持っているだけ、自分一人で思っているだけ、そして本を読んだだけ、ではもったいないですよ。インプットはもちろん大事ですが、アウトプットも大切です。
人に教える、人に伝える。そうすることで自分の身になり、何よりも楽しさが増すのではないでしょうか。

ふたたびのお知らせです。
啓文社では毎年「日本一短い感想文コンクール」を実施しています。今年2019年で第24回目を迎えます。本を読んだ感想を30字以内にまとめてご応募いただくもので、入賞された方には図書カードのプレゼントもあります。応募用紙は啓文社各店の店頭で配布しています。また啓文社ホームページからもご応募いただけます。
9月16日が締め切りとなっています。まだまだ間に合います。たくさんのご応募をお待ちしています。

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