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本さえあれば、日日平安

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長迫正敏がおすすめする本です。


本さえあれば、穏やかな日日。ほっこりコラム連載中です。本好きのほんわかブログ・「本さえあれば、日日平安」
本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!

2020/12/05 更新

本さえあれば、日日平安


長迫正敏がおすすめする本です。


コミック

鬼滅の刃 23巻

著者:吾峠呼世晴

出版社:集英社

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鬼滅の刃 23巻

「鬼滅の刃 23巻」が発売されました。鬼のように売れています。ここでいう鬼は「ものすごい」とか「とても」という意味です。広島では「バリ」といいます。
広島カープのキャッチフレーズをお借りすると、優勝した年の「ドドドォー」さえも超え「バリバリバリ」と売れているのです。だから来年カープは必ず優勝します。信じるか信じないかはあなた次第、ですが…

いま書店の店頭はこの作品により「鬼」忙しくなっていますが、売り上げ的にも「鬼」助けられています。なので書店員としては「神」、あるいは「天使」と表現すべきかも知れません。
神対応のデキる鬼、天使のやさしさを持つ鬼といえばこの人、いやこの鬼です。「泣いた赤鬼」の青鬼。教科書に載るような有名な話なので皆さんご存じではないでしょうか。

山に暮らす赤鬼は人間と友達になりたくて、その気持ちを立札に書きました。
「こころのやさしい おにのいえです どなたでもおいでください おいしいおかしもございます おちゃもわかしてございます あかおに」
でも哀しいことに、村人には信じてもらえません。落ち込む赤鬼に友達の青鬼がこう提案しました。青鬼が村で暴れてみせ、そこへ赤鬼が出てきて青鬼を懲らしめる。村人は赤鬼に感謝し、仲良くなる…という筋書きです。

見事作戦は成功、赤鬼の家に村人が遊びに来てくれるようになります。でも悪役を演じてくれた青鬼はそれ以降姿を見せません。気になった赤鬼が青鬼を訪ねていくと、扉にメッセージが書いてありました。このまま鬼同士がつきあっていると、人間たちが気になって落ち着かないかもしれない。そう考えて旅に出ることにしました。君のことは忘れない、いつまでも友達です…
赤鬼は泣きました。

この物語は節分の頃によく読まれていますので、今の季節に紹介されることはあまりありません。「鬼滅の刃」から勝手に連想しただけです。言いたかったのは、本について考えていると本が読みたくなる、ということ。そして何か1冊でも本を読むと、次に他の本も読みたくなる、ということです。いわば芋づる式です。

とっかかりは何でもかまいません。もちろんコミックでも大丈夫です。本を読みながら自分のこと、家族のこと、そして友達のことを、たちどまって考えてみてはいかがでしょうか。
自分自身にとって興味深く、面白く、全集中できる本を見つけに、書店にお越しください。

そう言えば今年はサンタクロースではなく、鬼がプレゼントを配って回るらしいです。嘘です。でも「鬼滅の刃」全巻セットのラッピング依頼もありますので、まんざらありえない話でもないようです。信じるか信じないかはあなた次第です。

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