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本さえあれば、 日日平安

本さえあれば、 日日平安

長迫正敏がおすすめする本です。


2021/03/28 更新

本さえあれば、 日日平安


長迫正敏がおすすめする本です。


文庫

おまじない

著者:西加奈子

出版社:筑摩書房

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おまじない

いま啓文社各店では、小学生以下のお子さんを対象に「文字さがし」というイベントを行っています。店内のどこかに、例えば「あ」とか「い」とか一文字を持ったぬいぐるみが5体置いてあり、そこに書かれている5つの文字を並べ替えるとできるキャラクターの名前を当ててプレゼントをもらおう!というものです。(開催日は各店舗にお問い合わせください。)

正解はそれぞれ店舗で考え、お子様にとって有名なキャラクターの名前にすることになっていますが、ダメもとで「昔のアイドルの名前はどうですか?」と提案してみました。
Tさんが「例えば?」と聞いてきたので、とっさに「南沙織」と答えました。「み・な・み・さ・お・り、6文字ですよ、だめじゃないですか~」と一蹴されました。
でも私が小学生のころのアイドルと言えば南沙織か麻丘めぐみ、浅田美代子、あとは、あ、あ、天地真理、あ・ま・ち・ま・り、5文字!

この大発見を伝えようとしましたが、Tさんは振り向きもせず仕事に戻っていきました。そのクールな後姿はまるで吉田羊、よ・し・だ・よ・う、5文字!

それ以降、名前だけでなく「ひらがな」5文字が目につき、気になります。「あ」だと、ありがとう、あまやどり、(うれしはずかし)あさがえり…、「い」は、「い」は…パス。「う」は、うれしなき、うみびらき、うこっけい(烏骨鶏)。「お」は、おもてなし、おかあさん、おかげさま(で90周年)そして…

「おまじない」 西加奈子(にしかなこ) ちくま文庫

さまざまな人生の転機に、まじめさゆえに孤独に思い悩んでしまう女性たちの背中をそっと押して、新しい世界に踏み出す勇気をくれる魔法のひとこと。珠玉の八編、ついに文庫化!巻末に長濱ねるとの特別対談を収録。

本書には柔らかいのに心に突き刺さる「ことば」があります。巻末の対談で長濱ねるさんは「孫係」の中の「正直なこととやさしいことは別」が印象に残ったと話されていました。

「孫係」は、一ヶ月間だけ一緒に暮らすことになった大学教授の祖父と孫娘の話。「おじいちゃま」はただの「優しい人」、「物静かな人」とは違う。何かひんやりした感じを持っている。なので、口では「おじいちゃまが来てくれて嬉しい」と言いながらも部屋でひとりになったら「ほっ」とする。愛想笑いはおてのもの、行儀よくするなんて朝飯前だ。ああ、いやな孫、とため息をつく。自分は汚い、ズルい人間だ。

そんなある日、誰もいないと思っていた居間で「ひとりになりたいなぁ」とつぶやく。すると「すみれさん。」とおじいちゃまの声がする。「私もです。」と言ったおじいちゃまは悲しそうでもなく、バツが悪そうでもなく、なんだか「ほっ」としているみたいに見えた。
それから祖父と孫とで交わされる会話がとても素敵です。

自分探しで本当の「自分」は見つかりません。悪いところばかりを探してしまうから。「あなたは悪くない」、柔らかく深く心に刺さる「ことば」にあふれている作品集です。

いま聴いていたのは「デスペラード」イーグルス…、5文字のアーテイスト?ということで、「啓文社【公式】おかげさまで創業90周年の書店です!」の毎朝のツイートを遡ってみました。「ヨーロッパ」、「ジェネシス」、「ジャーニー」、「バングルス」…、ちなみに今朝、2021年3月28日は「レディ・ガガ」でした。レディガガと続けて書くと5文字!

探せばいます。5文字のアーティスト。いつの日か「文字さがし」に出題されるかも?その日のためにも、ぜひ毎朝「啓文社【公式】おかげさまで創業90周年の書店です!」のツイートをチェックしてください。もちろん各店のおすすめ本をはじめイベント、フェア、お得な情報が盛りだくさんです!

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