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本さえあれば、日日平安
長迫正敏がおすすめする本です。
本さえあれば、穏やかな日日。ほっこりコラム連載中です。本好きのほんわかブログ・「本さえあれば、日日平安」
本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!
2021/05/06 更新
本さえあれば、日日平安
長迫正敏がおすすめする本です。
ノンフィクション
今日の書き散らし
著者:書きちらし
出版社:主婦の友社
帰宅途中のことです。4人の女子高生が歩道いっぱい横並びで広がり、楽しそうに話しながらこちらに向かって歩いてきていました。歩道の真ん中を歩いていた私は少し車道側に寄りました。
女子高生たちも私に気づいているはずです。車道側に避けた私を見て、当然彼女たちも小さくまとまるか、縦並びになったりして避けてくれると思っていました。しかし、一向にその気配がありません。このままでは正面衝突です。
どちらが最後まで道を譲らず、避けずに我慢できるか?期せずして映画「アメリカン・グラフィティ」のチキンレースのような緊迫した状況になりました。
すれ違う時、歩道から車道に降りました。私が彼女たちを避けたのです。その時、一番端の女の子をチラッと見ました。彼女はマスクを顎まで下していたので、鈍感な私でもその表情から彼女の心の声が聞こえました。
「勝った!」
負けず嫌いな人が苦手です。知らぬ間に対戦相手にされています。実際に「勝った!」と口にしてドヤ顔をする大人げない人もいます。「えっ、いま競争しとったん?」、でも私に勝って何の自慢になるのでしょうか…
「苦手です。」とおだやかな言い方をしましたが、ハッキリ言って「負けず嫌い」な人が嫌いです。
私は「負けず嫌い」嫌い、です。
個人的な意見ですが、負けず嫌いな人は、元気で明るく声が大きい人が多いように思います。そして、こんな「負けず嫌い」嫌いな私の言動、考え方、生き方を否定します。
声が小さく大人しい私を「覇気がない!」、「そんな弱気でどうする!」と怒ります。負けず嫌いな人は、「負けず嫌い」嫌いな私のことが嫌いなのでしょう。どんくさくて、見ていてイライラするのでしょう。確かに気が利かないところが多々あります。つい口が出てしまう気持ちも分からなくはありません。
でも私からしたら大きなお世話、「うっせいわ」です。
目の前の相手に勝たなければ、マウントを取らなければ、一番にならなければ幸せにはなれないのでしょうか?そんなはずはありません。「負けず嫌い」嫌いな私でも幸せになっていいはずです。私が存在することで、私は、それを証明したいのです。だから「負けず嫌い」な人には負けません。負けたくありません。決して負けるわけにはいきません!
あれ~?
「今日の書き散らし」 書きちらし 主婦の友社
薬剤師という本業のかたわら、街やネットで見つけた気になる発言や言葉を達筆な文字で書き起こし、連日SNSに投稿されている書きちらしさん。
小学生の時から習字を、大学生になるとボールペン字の練習を始めた著者は、「お手本の文章がカタすぎる」と感じて、「よりユーモアやウイットに富んだ、面白い文章・フレーズをお手本にしよう」と思いついたそうです。
「部屋が汚いんじゃない 俺が美しいんだ。」
「今日の別腹は 明日の脇腹」
「人は5秒で やらない理由を考え出す」
「Twitterを覗くとき
Twitterを覗いている場合ではないのだ」
「人間は 焼肉で癒えないほどの痛みを
抱えるべきではない」
「一生、ディナーをともにすることもない人に
何を言われても 気にする必要はない」
「わかる」、「ささる」、「読ませる」、ことばにクスっと笑いながら、そうだよな~と納得している私がいます。
『私は「負けず嫌い」な人が嫌いだ。
だから「負けず嫌い」な人には負けたくない。』
書きちらしさんに書いて欲しいのですが、どうでしょう?