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いつか読書をする人へ

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井上いつかがおすすめする本です。


2021/07/07 更新

いつか読書をする人へ


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ノンフィクション

実力も運のうち 能力主義は正義か?

著者:マイケル・サンデル,鬼澤忍

出版社:早川書房

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実力も運のうち 能力主義は正義か?

マインクラフトというゲームをします。

村を広げるのが好きです。職業ブロックを作り、ベッドを増やし、パンを皆に配り、村人をどんどん増やします。

鍛冶台を置けば村人は鍛冶職人になる。
コンポスターを置けば農民になる。

そうやって発展する村人の中に、緑色の服を着た、どうやっても職につかない者がいます。
いくら職業ブロックを置いてもだめ。昼夜が逆転しているのか、昼間にひとりベッドで寝ていたりする。

でも、畑を耕し、牛を飼い、魚を捕り、道具を作り、なんかみんなでパンを投げ合って楽しそうに暮らしています。
別に少しくらいニート(子どもがこう呼んでいた)がいたって彼も村の一員として分け合って楽しくやっているみたいです。


わたしたちの今いる世界はもうそんなシンプルではない。

「努力と才能で、人は誰でも成功できる」

それはとてもいいことのように聞こえます。
それが真実かどうかは別として。

人間は、能力主義によってひとつの不平等を解決したように見えます。
けれどもそれは新しい不平等を生み出してしまった。

特別な才能がなければ、今たまたまこの世界で価値があるとされている成功を収めていなければ、人には価値がないのでしょうか。

格差と分断の果てに、はい上がる気力も湧かないほどの場所にいる人たちは、彼ら自身の罪なのでしょうか。

人間の世界は、村から遠く離れ、国すらも飛び越えて『グローバル化』してしまった。
地面から遠く離れた栄光は、どんどん我らが群れをバラバラにしてしまいます。

かっこいい、華々しい成功のストーリーは本当に素晴らしいことです。
でも、この本に書かれている世界も見ていかなければいけないと思います。

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