おすすめの本RECOMMEND
本さえあれば、日日平安
長迫正敏がおすすめする本です。
本さえあれば、穏やかな日日。ほっこりコラム連載中です。本好きのほんわかブログ・「本さえあれば、日日平安」
本好きの、本好きによる、本好きのための“ほんわか”。一日を穏やかに過ごす長迫氏のおすすめ本はこれ!
2021/08/09 更新
本さえあれば、日日平安
長迫正敏がおすすめする本です。
コミック
戦国人物伝 毛利元就
著者:企画・構成・監修:加来耕三原作:すぎたとおる作画:中島健志
出版社:ポプラ社
主に通勤電車の中で本を読んでいますが、曜日ごとに本を変えてみたらどうだろう?と考えました。
例えば、月曜は小説の日と決めます。小説の中でも大衆文学、直木賞タイプの作品を選びます。もちろん時代小説もここに入ります。
火曜日は同じ小説でも芥川賞タイプの純文学、そして日本文学の名作と呼ばれている作品にします。
かなり有名な作品でも読んだことのない本は星の数ほどあります。「浜の真砂は尽きるとも世に読書の種は尽きまじ」です。
小説が続いたので水曜日はビジネス書や教養新書にします。でも、あまり難しいと電車内で寝てしまい乗り越す可能性があります。実は何度かありました。なので、なるべく柔らかめの内容を選びます。私の信条は、「他人には優しく、自分には、もっと優しく」です。
木曜日は実用書です。最近は健康関係やダイエットに興味があります。このジャンルの本は、パラパラとページをめくっただけで知識を得たり、健康な体を手に入れたり、ダイエットした気になるので要注意です。さらに言えば買っただけで安心して積読本になりかねません。
ちなみに「最近お腹が出てきて…」と90歳の父に愚痴ったところ、「お前も、そういう年頃じゃけぇ、仕方ないんよ」と慰められました。
年頃って…
金曜日は随筆やエッセイで笑ったり、しみじみしたり、ほっこりした気分を味わいます。私が特に好きなジャンルです。
世の中には色んな専門書店があります。ある特定のジャンルの本だけを揃えた書店です。コミック専門店、こどもの本専門店は言うに及ばず、料理の本、旅の本、鉄道の本、音楽の本、動物の本、はたまた猫の本だけの書店もあるそうです。ならば随筆やエッセイだけの書店もあるのでしょうか?
でも短編集を読んでいるときは、短編集だけの書店がいいな~と思います。結局自分の本棚が、「一番好きな書店」なのかも知れません。
土曜日は児童書です。子ども向けの本と言っても様々です。絵本あり児童文学あり、図鑑や科学の読み物あり、いまなら読書感想文の書きかた、自由研究や工作など実用的な本もあります。なかには、まるでビジネス書のような生き方や自己啓発っぽい内容の本もあります。すべての悩みは「対人関係の悩み」といいます。それは大人も子どもも一緒なのでしょう。
いや、大人よりも切実な悩みかも知れませんね。
そして日曜日は満を持してのコミックです。もちろん電車内でも堂々とした態度で読みます。人目を憚る必要もありません。日曜は通勤通学の乗車客が少ないから…
やはり「大人が電車内で漫画を読むなんて」と、どこか後ろめたい気持ちがあるからなのでしょう。「漫画を読むのはイケないこと」と子どもの頃に大人から教えられていたからでしょうか。
いまはTVの情報番組で「勉強に役立つ漫画」とか「東大生おすすめ漫画」などと紹介されると、お孫さんにプレゼントするからとお祖父さんやお祖母さんが全巻まとめて大人買いして下さいます。微笑ましく、また嬉しい限りです。
「戦国人物伝 毛利元就 コミック版日本の歴史(24)」ポプラ社
企画・構成・監修:加来耕三 原作:すぎた とおる 作画:中島健志
本書は何にでも効く万能薬の様な1冊です。児童書ですが、もちろん漫画として楽しめ、歴史を学べ、ストーリーは時代小説の面白さがあり、巻末の解説は歴史にまつわるエッセイとして、大人でも読み応えがあります。
通勤途中、JR本郷駅を少し過ぎたところで新高山城跡が見えてきます。毛利元就の三男・小早川隆景が築いた城です。そこで小早川隆景の漫画を検索してみましたが出てきませんでした。ライトノベルはヒットしたのですが…、残念です。
ならば毛利元就は?と調べて見つけたのが本書です。
信長、秀吉、家康を漫画で描いた人物伝は数多く出版されています。しかし中国地方の覇者・毛利元就であっても、いま漫画で読めるのは本書「戦国人物伝 毛利元就 コミック版日本の歴史(24)」だけのようです。
老若男女関わらず、私たち広島県民にとって貴重な1冊なのです。