新聞の人生相談欄は昔からある定番です。大正時代に読売新聞が始めた「身の上相談」が元祖だそうですが、今は各紙でも同じようなコーナーがあります。
本書は読売新聞の「人生案内」欄にて、最相葉月さんが人々の相談に答えてきた回答の傑作・名作を収録した本です。
ある有名芸能人が不倫した、と報じられると、国民みんなが正義感を振りかざしてその芸能人を叩き、どん底に落とす、という現場を昨今よく見るようになりました。でも、ですね。そんな不倫芸能人をぶっ叩いてるみなさんは誰一人として、不倫した経験はないのでしょうか？　人生の中で、二股交際をやってた、またはやられてたことはなかったのでしょうか？　嫁姑問題や親の介護問題に悩んだりしてませんか？
本書を読むと、まさに人生いろいろ、家庭の数だけ事情があることが分かります。それぞれに深刻に悩んでいるのです。
そんな相談に最相さんは、時に寄り添いながら、時には突き放すように、辛口かつ愛情あふれる回答を寄せられています。
最相葉月さんは『絶対音感』『星新一　一〇〇一話をつくった人』『セラピスト』などで知られる作家さん。作家らしい秀逸なコメントに唸ること間違いなしです。