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本さえあれば、 日日平安

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長迫正敏がおすすめする本です。


2021/09/11 更新

本さえあれば、 日日平安


長迫正敏がおすすめする本です。


フィクション

谷川俊太郎詩集 たったいま

著者:谷川俊太郎/詩 広瀬弦/絵

出版社:講談社

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谷川俊太郎詩集 たったいま

その日、私は東京にいました。月に一度、全国各地の書店員が集まる勉強会に参加させてもらっていたのです。
書店運営に必要な様々なスキルを学んでいました。人材育成の授業では、店長役とスタッフ役に分かれてロールプレイングもやりました。
私は「こまったちゃん」役でしたが、店長役をされていた他社(確か神奈川のY…)の方の話に素直に納得してしまい、「もっと抵抗して下さいよ~」と笑われました。
でも本当に親身になって相談に乗ってくれる、いい店長さんだったので…

授業の後、一緒に通っていたN店長(現・本部長)と食事に行き、「じゃあ、また明日頑張りましょうや」と励ましてもらいながらホテルの部屋に戻り、何気なくTVのスイッチを入れました。
突然あの映像が目に飛び込んできました。これ映画?でも何か違う…

しばらく見ていると、それがたったいま現実に起きていることだと分かりました。アメリカの出来事とは知りながら、思わず自宅に電話を入れました。
6歳の息子、もうすぐ10歳になる娘。もう寝る時間なのに、はしゃいだ声が聞こえてきます。いつもはうるさく感じますが、この日ばかりは二人の声に安心しました。
2001年9月11日、夜10時過ぎだったと記憶しています。

「谷川俊太郎詩集 たったいま」 谷川俊太郎/詩 広瀬弦/絵 講談社 青い鳥文庫

たったいま死ぬかもしれない こころの底からそう思えれば あらそいもいさかいもしたくなくなる 
だれもがたったいま死ぬかもしれない
~「たったいま」より~

青い鳥文庫はじめての詩集。
子どもたちに人気のある「かっぱ」、「いるか」から、大人の世界を垣間見るものまで、いろいろなタイプの詩が38編収められています。
ただし詩の解説は一切ついていません。収録されている詩が初めて掲載された本の書名と発行年月日、そして著者紹介が巻末にあるだけです。

生きているということ いま生きているということ
泣けるということ 笑えるということ 怒れるということ 自由ということ
~「生きる」より~

あれから20年。いま生きている私が出来ることは、忘れないでいることぐらい…
でも書店員として、出来ることがありました。

おなじでない 何かと何かのせいで わたしたちは にくみあい あいしあい
ときに ころしあう
~「何か」より~

本書に収録されている詩を読み、どう感じても、何を想っても自由です。
と伝えることはできます。

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