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Slow Books ~コトバのあや~

Slow Books ~コトバのあや~

高垣亜矢がおすすめする本です。


日本人が奏でる『コトバの音符』。言葉が織りなす模様“言葉の文(あや)”日本人が使う巧みなコトバ、本の中に見え隠れする「コトバのあや」
本をじっくりと読んでいると、その中に光る作者の巧みなテクニック。高垣亜矢さんの視点で捉えた“コトバのあや”を紹介します。

2011/03/31 更新

Slow Books ~コトバのあや~


高垣亜矢がおすすめする本です。


フィクション

ポリティコン(上・下)

著者:桐野夏生

出版社:文藝春秋

定価:各1,650円

ポリティコン(上・下)

 大正時代、文学者らが東北につくった理想郷「唯腕(いわん)村」。16歳の美少女・真矢は村の後継者・東一(といち)と出会う。王国作りにとらわれた男と、家族もなく国と国の狭間からこぼれおちた女。二人は愛と憎悪、相反する気持ちを抱えながらも運命を交錯させる。

 過疎、高齢化、農業破綻、食品偽装、国境…日本が抱える問題が本作にはある。東北関東大震災にあった今こそ、目を背けてはならない、と悲痛な叫び声が聞こえる。花は必ず郷に咲く。

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