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Slow Books ~コトバのあや~

Slow Books ~コトバのあや~

高垣亜矢がおすすめする本です。


日本人が奏でる『コトバの音符』。言葉が織りなす模様“言葉の文(あや)”日本人が使う巧みなコトバ、本の中に見え隠れする「コトバのあや」
本をじっくりと読んでいると、その中に光る作者の巧みなテクニック。高垣亜矢さんの視点で捉えた“コトバのあや”を紹介します。

2011/04/17 更新

Slow Books ~コトバのあや~


高垣亜矢がおすすめする本です。


フィクション

うから はらから

著者:阿川佐和子

出版社:新潮社

定価:1,785円

うから はらから

 うたっているようなタイトル。漢字にすると、“親族(うから)同胞(はらから)”。『スープ・オペラ』『婚約のあとで』に連なる、ファミリーロマンス。
 
 「いい関係」でいたいからと三行半をつきつけられた室田、一人暮らしを始めた母、堅物だった父の再婚、義母の豊かすぎる悩み、大人びた倫土(ろんど)の不安、未来(みく)に立ちこめる暗雲…。
 
 様々な人間模様を描けるのも、観察眼に長けたアガワさんならでは。“ラブコメ”というジャンルにほどよく包まれているけれど、男と女の悲哀の気配が漂っているのでご注意を。

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