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Slow Books ~コトバのあや~

Slow Books ~コトバのあや~

高垣亜矢がおすすめする本です。


日本人が奏でる『コトバの音符』。言葉が織りなす模様“言葉の文(あや)”日本人が使う巧みなコトバ、本の中に見え隠れする「コトバのあや」
本をじっくりと読んでいると、その中に光る作者の巧みなテクニック。高垣亜矢さんの視点で捉えた“コトバのあや”を紹介します。

2011/07/12 更新

Slow Books ~コトバのあや~


高垣亜矢がおすすめする本です。


フィクション

人質の朗読会

著者:小川洋子

出版社:中央公論新社

定価:1,470円

人質の朗読会

 地球の裏側にある隔絶された場所で、拉致された日本人観光客8人。最悪の結末を迎え、悲しむ人々の前にもたらされたもの。それは、8人が自ら書いた話を朗読する声が残ったテープだった。“未来がどうあろうと決して損なわれない過去だ。それをそっと取り出し、掌で温め、言葉の舟にのせる。”極限の状況下、それらがどんなに尊い行為であったか。章の終わりにある、その朗読者のプロフィール。生きた証しとしてより胸に迫る。いや、胸が、張り裂けそうになる。

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