『乳と卵』で芥川賞を受賞し、２年前の『ヘヴン』でさらに強い衝撃を与えた著者の、渾身の長編小説。

　フリーで校閲の仕事をする入江冬子は、３４歳•独り暮らし。“わたしは自分の意思で何かを選んで、それを実現させたことがあっただろうか”―。真夜中をさまよう孤独な魂どうしが寄り添うとき、儚いけれどかけがえのない光が生まれるのかもしれない。著者独特の言葉が、心の奥底まで突き、切なく震わせます。闇は必ず明けるもの。
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